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南海トラフ地震で福岡は安全?震度・津波・危険なエリアと備えを徹底解説

南海トラフ地震で福岡は安全?震度・津波・危険なエリアと備えを徹底解説

「南海トラフ地震が来たら福岡は大丈夫なのか」「そもそも福岡に津波なんて来るのか」——熊本地震をはじめ九州で災害が相次ぐ中、こうした不安を検索した人も多いのではないでしょうか。ネット上には「福岡は安全」「福岡にも大きな津波が来る」と正反対の情報が混在していて、どちらを信じればいいか分かりにくいのが実情です。

この記事では、内閣府・気象庁・福岡県・福岡市・北九州市など公的機関の最新資料をもとに、南海トラフ巨大地震が福岡県にどう影響するのかを、震度・津波・エリアごとの違いに分けて整理しました。結論を先に言うと、福岡県は南海トラフの震源域そのものではなく全国的に見ればリスクは相対的に低いものの、「福岡県内でもエリアによってリスクは大きく異なる」というのが実態です。

特に、玄界灘・博多湾側(福岡市)と、豊前海・周防灘側(北九州市)、有明海側(大牟田市・柳川市など)では、津波の想定がまったく違います。「福岡には津波は来ない」という情報だけを見て安心してしまうと、北九州市や有明海側にお住まいの方には正しく当てはまらない可能性があります。

また、福岡市周辺には南海トラフとは別に「警固断層」という直下型地震のリスクもあります。この記事では、南海トラフ地震と警固断層地震を混同しないよう整理したうえで、実際に福岡県民が備えておくべきことをまとめています。危機をあおる内容ではなく、正しい知識をもとに落ち着いて備えるための記事としてお読みください。

本記事について: 本記事は内閣府(中央防災会議)、気象庁、地震調査研究推進本部、福岡県、福岡市、北九州市などが公表している資料をもとに作成しています。被害想定・発生確率は今後の調査で更新される可能性があるため、最新情報は各機関の公式発表でご確認ください。

最終更新日: 2026年8月17日

※この記事はプロモーションを含みます。

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南海トラフ地震と警固断層地震は別物

まず整理しておきたいのが、「南海トラフ地震」と「警固断層地震」は震源もメカニズムもまったく別の地震だということです。

項目 南海トラフ地震 警固断層地震
タイプ 海のプレート境界で起きる巨大地震 福岡市周辺を通る内陸の活断層による直下型地震
福岡市の想定震度 最大5弱程度 最大6強(南海トラフより大きい)
津波 エリアによっては想定あり 直下型のため津波の想定は主眼ではない
被害の性質 全国規模の広域災害。福岡単体の揺れは比較的小さい 福岡市直下が震源のため、局地的だが揺れの被害は大きい

つまり「南海トラフなら福岡は大丈夫」という情報は、警固断層地震には当てはまりません。福岡には性質の異なる2種類の地震リスクがあることを前提に、この記事では南海トラフ地震に絞って詳しく解説します。

南海トラフ巨大地震の基礎知識

南海トラフは、静岡県の駿河湾から九州の日向灘沖にかけて広がるプレート境界です。ここを震源とする巨大地震は、想定される規模がマグニチュード8〜9クラスとされています。

2025年9月26日、政府の地震調査委員会は30年以内の発生確率を見直しました。従来は「80%程度」という一つの数字でしたが、算出方法によって結果が異なることから、現在は次の2つの数値が示されています。

  • 長期的な評価に基づく数値:60〜90%程度以上
  • 別の統計モデルに基づく数値:20〜50%

この数値は「いつ地震が起きるか」を予測するものではなく、あくまで長期的な発生可能性を示す統計的な指標です。「〇年以内に必ず起きる」という意味ではない点に注意してください。

福岡県の想定震度

福岡県は南海トラフの震源域そのものには含まれていません。そのため、想定される震度は全国の中でも比較的小さい部類に入ります。

福岡県内の多くの市町村 最大震度5弱
久留米市・八女市・北九州市小倉南区など約17市町村 最大震度5強
福岡市 最大震度5弱(区による差あり)
北九州市 最大震度5弱(一部5強)

参考までに、全国では静岡県から宮崎県にかけて震度7が想定される地域があり、10都県149市町村が対象です。福岡県はこの震度7想定地域には含まれていません。

福岡はどこが危ない?3つの海域で徹底比較

「福岡に津波は来るのか」という疑問に一言で答えるのは実は正確ではありません。福岡県は3つの海に面しており、南海トラフ地震による津波リスクはエリアごとに大きく異なるからです。

玄界灘・博多湾側(福岡市・糸島市など)

福岡市が面する玄界灘は、海底地形とプレート配置の特性上、南海トラフ由来の巨大津波が発生・到達しにくい海域とされています。「福岡には津波が来にくい」という情報は、主にこのエリアを指したものです。

福岡市・博多湾(玄界灘側)の地図です。

豊前海・周防灘側(北九州市・行橋市・苅田町・豊前市など)

瀬戸内海とつながるこのエリアは、福岡県内で最も津波リスクが高い地域です。2025年3月の内閣府の新しい被害想定で、北九州市の津波高は従来の3.5〜4m程度から最大5mに引き上げられました。特に門司港レトロ地区周辺が影響を受けるとされています。浸水想定面積も、門司区で最大約220万平方メートル、小倉南区で約170万平方メートルと、旧想定と比べて福岡県内全体で約4倍近くに拡大しています。北九州市・行橋市・豊前市・京都郡や築上郡の一部町は、国の「南海トラフ地震防災対策推進地域」にも指定されています。

北九州市門司区(豊前海・周防灘側)の地図です。

有明海側(大牟田市・柳川市・みやま市など)

有明海側の津波想定は、南海トラフの複数モデルに加えて、福岡県が独自に選定した雲仙地溝南縁の断層帯や周防灘断層群も踏まえた、複数の断層モデルの中から最大クラスを採用しています。つまり有明海側の想定は「南海トラフ単独」の数字ではなく、地元の別の断層要因も加味した最大値である点に注意が必要です。干拓地や低地が多いエリアのため、浸水リスクへの備えが重要です。

大牟田市(有明海側)の地図です。

※津波高・浸水想定は、福岡県が平成28年(2016年)に公表した津波浸水想定と、内閣府が2025年3月に公表した最新の被害想定を組み合わせて記載しています。詳細な地点別の数値は、各市町村のハザードマップで最新版をご確認ください。

福岡市への影響(液状化・長周期地震動)

福岡市は震度・津波の面では県内でも比較的リスクが小さいエリアですが、注意すべき点もあります。

  • 液状化: 博多湾岸の埋立地など、地盤が軟弱なエリアでは液状化のリスクが指摘されています。地盤の沈下・傾斜、上下水道管の破損などが起こる可能性があります。
  • 長周期地震動: 南海トラフ地震のような巨大地震は、ゆっくりとした周期の長い揺れ(長周期地震動)を伴います。震源から離れていても、高層ビルやタワーマンションの高層階は大きく長く揺れる可能性があります。
  • 建築基準法上の「地震地域係数」: 福岡大学の研究者の指摘によると、東京を1とした場合、福岡は0.8(熊本は0.9)とされ、1980年から改定されていません。これは福岡がより緩い基準でも建築が許容されてきたことを意味し、南海トラフに限らず地震全般に関わる福岡特有の構造的な注意点です。

北九州市への影響

北九州市は福岡県内で最も津波への備えが必要なエリアです。想定震度は5弱(一部5強)ですが、前述の通り津波は最大5mまで引き上げられており、特に門司区・小倉南区は浸水想定面積が大きくなっています。市では防災ガイドブック(地震・津波版)や南海トラフ地震臨時情報への対応マニュアルを公開しており、沿岸部にお住まいの方は一度目を通しておくと安心です。

南海トラフ地震で福岡は安全なのか?

結論を単純な「安全」「危険」の二択で語ることはできません。複数の軸で見ていくと、次のように整理できます。

  • 震源からの距離: 福岡県は震源域から離れており、震度・津波とも全国の想定最大級エリア(静岡・和歌山・高知など)と比べれば相対的にリスクは低い
  • 揺れ: 県内の想定震度は5弱〜5強が中心。ただし福岡市直下の警固断層地震(震度6強)の方が、揺れの直接被害としてはむしろ大きいとされる
  • 津波: 玄界灘・博多湾側は発生・到達しにくい地形。一方、北九州市(豊前海・周防灘側)は県内で最も津波リスクが高く、有明海側も別の断層要因を含めた独自の想定がある
  • 地盤・建物: 埋立地・低地の液状化リスク、地震地域係数0.8という耐震基準面での注意点がある
  • 交通・物流: 直接被害が軽微でも、南海トラフは全国規模の広域災害のため、交通機関やサプライチェーンを通じた間接的な影響を受ける可能性がある

まとめると、「福岡は南海トラフ地震の震源域ではなく、全国的には相対的にリスクが低い地域」と言えますが、「だから備えなくていい」ということにはなりません。特に北九州市・有明海側の津波、都市部の液状化・長周期地震動、そして南海トラフとは別に存在する警固断層地震のリスクを踏まえた備えが必要です。

九州・全国との比較

「南海トラフ地震で1番危ない県はどこですか?」「九州でやばい県は?」という疑問に対しては、中央防災会議が公表した死者数想定(最大クラス)で比較するのが最も分かりやすい指標です。

都道府県 死者数想定(最大クラス) 備考
静岡県(全国1位) 最多 震源に近く、震度7・津波の到達も最速クラス
和歌山県(全国2位) 2番目に多い
高知県(全国3位) 3番目に多い 震度7・津波とも全国最大級
宮崎県(九州1位) 約39,000人 13市町で震度7、津波は最短14分・最大約17m想定
大分県(九州2位) 約15,000人 豊後水道沿いで津波リスクが高い
鹿児島県(九州3位) 約3,900人
福岡県 最大200人 死者はすべて津波によるもの。九州の中でも被害規模は小さい部類

この比較からも分かる通り、南海トラフ地震単体で見れば、福岡県は九州の中でも被害想定が小さい県です。宮崎県・大分県とは規模が一桁違います。

発生時に取るべき行動

  • 自宅にいるとき: まず頭を守り、家具や窓ガラスから離れる。揺れが収まってから火の元・出口を確認する
  • マンション高層階にいるとき: 長周期地震動で低層より大きく長く揺れる可能性がある。エレベーターは緊急停止のおそれがあるため避難時は基本的に使わない
  • 博多駅・天神など都心部にいるとき: 看板やガラスなど落下物に注意し、ビルや塀から離れる。無理に徒歩帰宅せず、一時滞在できる場所の情報を確認する
  • 海岸付近にいるとき: 揺れの大小にかかわらず、揺れを感じたら津波警報を待たずに直ちに高台・内陸へ避難する
  • 車を運転中: 急ブレーキを避けてゆっくり停車し、道路の左側に寄せてエンジンを切る。津波の危険があるエリアでは、車を置いて徒歩で高台へ避難することも検討する
  • 鉄道利用中: 乗務員の指示に従う。自己判断で線路に降りるのは危険

福岡県民が今すぐできる備え

南海トラフ地震そのものは震源が遠く、福岡での揺れは比較的小さいと想定されていますが、警固断層地震など別のリスクもあるため、平常時からの備えは共通して役立ちます。特別なことをする必要はなく、まずは次のような基本の確認から始めましょう。

福岡で南海トラフ地震に備えて確認しておきたい避難場所の案内看板
避難場所は災害の種類によって利用条件が異なるため、福岡市の最新情報とハザードマップで事前に確認しておこう
  • 自宅・職場・子どもの学校が津波浸水想定区域や土砂災害警戒区域に該当するか、市町村のハザードマップで確認する
  • 指定緊急避難場所を確認しておく。福岡市の場合、沿岸部の一部施設は「津波時は使用不可」と明記されているため、津波リスクのあるエリアの方は使える避難先を個別に確認する
  • 家具の固定(南海トラフに限らずあらゆる地震の負傷リスクを減らす基本対策)
  • 災害用伝言ダイヤル(171)など、家族との連絡方法を決めておく
  • 飲料水・食料(最低3日分、可能なら1週間分)、モバイルバッテリー、懐中電灯などの備蓄
  • 1981年(昭和56年)より前に建てられた自宅にお住まいの場合は、耐震診断・耐震改修の検討
  • 「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」が出ても事前避難は必須ではないが、備えの再確認と、地震が起きたらすぐ避難できる準備をしておく
南海トラフ地震に備えて福岡の家庭で本棚を固定する家具転倒対策
本棚や背の高い家具を固定し、重い物を低い位置へ移すことで室内の危険を減らしやすくなる

よくある質問

  • Q. 南海トラフ地震は福岡市に影響しますか?
    A. 影響はありますが、福岡市は震源域そのものではないため震度は最大5弱程度、津波も玄界灘・博多湾側は発生・到達しにくい地形とされています。ただし液状化や長周期地震動への備えは必要です。
  • Q. 南海トラフ地震で福岡のどこが危ないですか?
    A. 北九州市(豊前海・周防灘側、特に門司区・小倉南区)の津波リスクが県内で最も高く、最大5mの津波が想定されています。有明海側も別の断層要因を含めた独自の津波想定があります。
  • Q. 南海トラフ地震で1番危ない県はどこですか?
    A. 中央防災会議(2025年3月公表)の死者数想定で、全国1位は静岡県、2位は和歌山県、3位は高知県です。
  • Q. 南海トラフ地震で九州でやばい県は?
    A. 宮崎県(死者約39,000人想定)が九州で突出しており、次いで大分県(約15,000人)、鹿児島県(約3,900人)の順です。福岡県は九州の中でも被害規模が小さい部類(最大200人)です。
  • Q. 福岡県の南海トラフ地震の想定震度は?
    A. 県内の多くの地域で震度5弱、久留米市・八女市・北九州市小倉南区など約17市町村で震度5強です。
  • Q. 福岡に津波は来ますか?
    A. 福岡市が面する玄界灘・博多湾側は発生・到達しにくい地形ですが、北九州市と有明海側には具体的な津波想定があります。「福岡=来ない」と一律には言えません。
  • Q. 福岡の津波の高さは最大何メートルですか?
    A. 2025年3月の新想定で、北九州市は最大5mとされています(従来は3.5〜4m程度)。
  • Q. 南海トラフ地震と警固断層地震は同じですか?
    A. 別物です。警固断層は福岡市周辺の内陸活断層で、福岡市内では震度6強が想定されており、南海トラフより福岡市への直接的な揺れの被害はむしろ大きいとされています。
  • Q. 福岡は南海トラフ地震で安全ですか?
    A. 全国的に見れば震源から離れており相対的にリスクは低いですが、「安全だから備えなくていい」わけではありません。北九州市・有明海側の津波や、警固断層地震など別のリスクへの備えは必要です。
  • Q. 南海トラフ地震はいつ起きますか?
    A. 正確な発生時期を予知する手法は確立されていません。2025年9月時点で、30年以内の発生確率として「60〜90%程度以上」「20〜50%」という2つの統計的な数値が示されています。



まとめ

  • 福岡県は南海トラフの震源域ではなく、震度は最大5弱〜5強程度、全国的には相対的にリスクが低い地域
  • ただし県内でもエリア差が大きく、北九州市(豊前海・周防灘側)は最大5mの津波想定があり県内で最もケアが必要
  • 福岡市が面する玄界灘・博多湾側は津波が発生・到達しにくい地形だが、液状化や長周期地震動への注意は必要
  • 南海トラフとは別に、福岡市直下の警固断層地震(震度6強想定)というリスクもある
  • 2025年9月、30年以内の発生確率は「60〜90%程度以上」「20〜50%」の2つの数値に見直された
  • 備えの基本は、ハザードマップの確認、避難場所の確認、家具の固定、備蓄の準備

この記事を書いた人

Ellen(福岡県在住歴30年・監修:サク/株式会社ponista)

福岡を拠点に、地元の防災・くらしの情報を現地目線でお届けしています。

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